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わが身の問題!転倒予防
ご承知のように、骨は加齢に伴って少しずつもろくなっていきます。しかし、ただ単に骨がもろいからといって、そう簡単に折れるわけではなく、骨折のほとんどは、転倒や転落などの事故によって起こってくるのです。たとえどんなに骨が頑丈な人でも、滑って転べば骨折してしまいますので、他人事では済みません。 これから「転倒予防」について、わが身の問題として考えていきましょう。
Q:転ばないための歩き方を教えて下さい? A:正しい姿勢でしっかり歩くことが大切です。逆によく転ぶ方は目線が下を向いていて、視界が狭くなっていたり、「すり足、ちょこちょこ歩き」をしています。次の「歩き方のポイント」を参考に正しい姿勢でしっかり歩きましょう。
歩き方のポイント ・目線は進行方向に向けて、視線は広く ・歩幅を少し広めに ・着地はかかとから ・足先で地面をける ・テンポ良く(腕は自然に振れるように)
Q:どんな靴が良いですか? A:まず、自分の足の大きさを知って、次の「靴を選ぶ際のポイント」を参考にして下さい。
靴を選ぶ際のポイント ・足の指が動かせるだけのゆとりがある ・足の甲の部分まで覆われている ・かかとがしっかり包み込まれている ・できるだけかかととの接着面が広く、3〜5cmの高さがある ・足の指の関節部分で曲げることができる ・蹴りだしを補助するような靴底に適度な硬さと弾力がある
●サイズとワイズを測ってみる ●かかとの包み込み ●適度な硬さと弾力 ●関節で曲がる
Q:室内で転ばないための対策はありますか? A:つまずきやすいものを取り除くことや段差の解消、滑りやすい場所を滑らないよう工夫することが重要です。次の例を参考にご自分でも考えてみて下さい。 転ぶ危険「つまづく」 ▲部屋の境目にある小さな段差は、気が付かずに「つまずく」ことがあるので、色つきのテープなどで目立たせることがポイント。電気のコードは壁に沿ってテープで留めるのがおすすめ。 転ぶ危険「すべる」 ▲マットは「滑り止めマット」を下に引く。他にもポリ袋やこぼれた水は滑りやすいので、すぐに片づけるようにする。 転ぶ危険「踏む」 ▲座布団などを踏むと足元が微妙に傾いて、転ぶ危険がある。使わないときには整理整頓すること。 Q:転倒予防のための体操を教えて下さい?
A:転びそうになったときに活躍する「太股の前」「ふくらはぎ」「お尻」の筋肉やバランスを鍛えることが大切です。次の「転倒予防体操」を参考にして下さい。 転倒予防体操 ・片方の足で字を書く 転びそうになったときに活躍する「太股の前」「ふくらはぎ」「お尻」の筋肉を鍛える効果がある ※筋力に不安がある場合は壁や手すりにつかまる方が良い ・いすに座って足の指でゴルフボールをつかむ足の指を鍛えることは、転びそうになったときにグッと耐えることにつながる ・足継ぎ歩き体のバランスを保つことに役立つ ・クロス歩きバランスを保つ練習。また、バランスが崩れたときに、とっさの一歩を出して体制を整える力を備える 前歩き 後ろ歩き ▲足継ぎ歩き ▲クロス歩き 今回は転倒予防についてお話してきましたが、自分の脚力を知ることも重要です。 普段の暮らしの中でいつも行っている動作から現在の脚力を把握することができます。 例えば、「横断歩道を青信号の間に渡れるか」「片足で立ったまま靴下がはけるか」「歩幅は最大で何cmか」などがあげられます。参考までに歩幅は60代の男性で100〜110cm、女性で90〜100cm程度です。転倒予防でイキイキ元気な日々を送っていきましょう。
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