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診療で使われている放射線〜part1〜

はじめに
近年では、医療技術が目覚しく発展していることは、皆さんもご存知のことでしょう。放射線検査の分野でも、検査技術が急速な発展を遂げています。そのような中で、検査に用いられている放射線はどのようなものか、またその安全性について紹介していきます。

身近にある放射線〜自然放射線と人工放射線〜
自然放射線とは?
自然放射線とは、読んで字のごとく自然界に存在している天然の放射線のことを言います。その種類としては、宇宙から降り注ぐ宇宙線、大地からの放射線、気体中に含まれるラドンなどからの放射線などがあります。また体内に存在するカリウム(K40)からも放射線を受けています。このような自然放射線から私たちが受けている放射線の被ばく量は、合計すると年間平均約2.4mSv(*1)という値になります。その約3分の2は、呼吸によって体内に入ったラドンやその壊変生成物(*2)及び、体内に存在するK40から受けるものです。

*1)Svとは〜生物に対する被ばく線量をあらわす単位である。(被ばくの影響をすべての放射線に対し共通の尺度で評価する)
*2)壊変生成物とは〜基本的に放射性物質は、放射線を放出して安定した原子に変化していきます。その変化した物質の事をいいます。

人工放射線とは?
人工放射線とは、人間が作りだしている放射線のことを言います。その歴史をたどると1895年ドイツの物理学者ウィルヘルム・コンラート・レントゲンが、クルックス管の実験中に発見した、物を透過する謎の線、これがX線だったのです。その発見で人類は多大な恩恵を受けてきました。人工放射線にはX線をはじめとする、電子線やY線を発生する核同位体元素などがあります。その特徴を活かし、医療分野では、検査や治療などに用いられています。また医療分野以外でも、空港の手荷物検査や、消防設備の煙探知機などにも利用されていることは、皆さんご存知だと思います。ここでは、病院や診療所・検診センターなどで主に診断で使われているX線について紹介します。一般にレントゲン検査・CT検査・造影検査などは、X線が用いられています。X線は、骨を透過しにくい(骨を形成している物質による)ことから、骨の形状をはっきり写し出すことができます。また、X線を透過しにくい物質を使用した造影剤を用いて、胃や大腸の検査や、血管の撮影にも利用されています。今では、このX線を用いて様々な病気を発見することが出来る様になりました。



自然放射線からの影響?
大地放射線は地域によって差がある?
日本において大地からの自然放射線が地域によっても差があります。岐阜県は花崗岩質が多くあるため
東京の1.3倍分だけ大地放射線を受けていることになります。人生80年とすると、胸部写真約10
0枚分多く被ばくしていることになりますが、岐阜県に異常が多いという報告はありません。さらに世
界においても大地放射線に差はあります。インドでは日本の約10の地域や、イラン・ブラジルなどでは数十倍もの自然放射線を受ける地域があります。これらの自然放射線の高い地域を対象に、さまざまな調査を長年行われてきましたが、自然放射線被ばくに伴う異常は確認されていないのが現状で、低い線量の被ばくによる異常の増加は確認されていないのです。

宇宙線は高度によって差がある?
地球に絶えず降り注ぐ高いエネルギーの放射線は、一次宇宙線といい、その大部分は陽子・α粒子であり、
大気の上層部で酸素・窒素・アルゴンの原子核と衝突し、電子・光子・中性子・π中間子などを発生させ
ています。自然放射線は、高度1500m毎に2倍の割合で高くなります。
旅客機の通常飛行高度は1万mなので、70倍近くの放射線の中を飛行することになります。航空機被ばくの量は、飛行ルート・年月日に左右されるので一津にはいえませんが、成田−ニューヨーク間一回の飛行で受ける放射線の量と集団胸部X線検診1回で受ける放射線の量が大体同じです。札幌―羽田間で考えると、約10往復すると同じ放射線の量になります。

宇宙旅行
ちなみに、月を往復すると43mSv被ばくすることになり、これは日本で20年間の自然放射量と同じで集団胸部X線540回撮影した被ばく量に相当します。さらに、火星を往復すると370mSv被ばくすることになり、155年間の自然放射線量と同じで、集団胸部X線4600回の被ばく量に相当します。

放射線の生物に対する影響
身体的影響は、被ばく後短期間で現れる急性障害と、数ヶ月〜数年経て現れる晩発障害があります。急性障害は、ある線量を超えて被ばくすると症状が現れるものをさします。たとえば皮膚紅斑や一時的脱毛などです。晩発障害は、長い潜伏期間を経て発生する物をさします。たとえば、悪性腫瘍の発生や寿命短縮などです。しかし、悪性腫瘍は、放射線の影響で発生したのかを臨床上見分けることは、特別な場合を除いて困難です。これらの影響は確率的な問題になります。

次号part2では、放射線の確率的影響・確定的影響や、放射線利用の原則などについて紹介します。


自然放射線からの影響?

大地放射線は地域によって差がある?
日本において大地からの自然放射線が地域によっても差があります。岐阜県は花崗岩質が多くあるため
東京の1.3倍分だけ大地放射線を受けていることになります。人生80年とすると、胸部写真約10
0枚分多く被ばくしていることになりますが、岐阜県に異常が多いという報告はありません。さらに世
界においても大地放射線に差はあります。インドでは日本の約10の地域や、イラン・ブラジルなどでは数十倍もの自然放射線を受ける地域があります。これらの自然放射線の高い地域を対象に、さまざまな調査を長年行われてきましたが、自然放射線被ばくに伴う異常は確認されていないのが現状で、低い線量の被ばくによる異常の増加は確認されていないのです。

宇宙線は高度によって差がある?
地球に絶えず降り注ぐ高いエネルギーの放射線は、一次宇宙線といい、その大部分は陽子・α粒子であり、
大気の上層部で酸素・窒素・アルゴンの原子核と衝突し、電子・光子・中性子・π中間子などを発生させ
ています。自然放射線は、高度1500m毎に2倍の割合で高くなります。
旅客機の通常飛行高度は1万mなので、70倍近くの放射線の中を飛行することになります。航空機被ばくの量は、飛行ルート・年月日に左右されるので一津にはいえませんが、成田−ニューヨーク間一回の飛行で受ける放射線の量と集団胸部X線検診1回で受ける放射線の量が大体同じです。札幌―羽田間で考えると、約10往復すると同じ放射線の量になります。

宇宙旅行
ちなみに、月を往復すると43mSv被ばくすることになり、これは日本で20年間の自然放射量と同じで集団胸部X線540回撮影した被ばく量に相当します。さらに、火星を往復すると370mSv被ばくすることになり、155年間の自然放射線量と同じで、集団胸部X線4600回の被ばく量に相当します。

放射線の生物に対する影響
身体的影響は、被ばく後短期間で現れる急性障害と、数ヶ月〜数年経て現れる晩発障害があります。急性障害は、ある線量を超えて被ばくすると症状が現れるものをさします。たとえば皮膚紅斑や一時的脱毛などです。晩発障害は、長い潜伏期間を経て発生する物をさします。たとえば、悪性腫瘍の発生や寿命短縮などです。しかし、悪性腫瘍は、放射線の影響で発生したのかを臨床上見分けることは、特別な場合を除いて困難です。これらの影響は確率的な問題になります。

次号part2では、放射線の確率的影響・確定的影響や、放射線利
用の原則などについて紹介します。


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