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診療で使われている放射線〜part2〜

はじめに
前号のpart1では、身近に存在する放射線について紹介してきました。part2では、診療で用いられている放射線(X線)についての影響・安全牲について紹介していきます。
放射線検査による被ばく医療被ばくとは、病院や診療所などで診断を目的とした放射線・X線検査を行った時に受ける放射線被ばくのことをいいます。近年放射線医療機器の進歩によりX線写真もデジタル化がすすめられています。技術の進歩によって、今までよりも少ないX線の量で写真が撮影できるようになってきました。以前の直接フィルムでの撮影よりは、現在の方(デジタル処理)が検査による医療被ばくが減っていると考えられます(特別な場合を除きます)。



放射線の確定的影響と確率的影響
確定的影響とは
生物が放射線を受けると、被ばく線量が少ない場合は生じた障害は回復可能でみかけ上障害が現れませんが、ある線量(しきい値)を超えて被ばくすると障害が現れるものをいいます。例えば皮膚紅斑や脱毛、生殖能力に対する影響などがあり、このような影響を確定的影響といいます。実際にどのくらいの被ばく量で起こるかと言いますと、生殖線の場合で考えると不妊になる被ばく量はおよそ3000mSv以上で、前号で紹
介した集団胸部X線検診の被ばく量で考えると37500回の量に相当します。また、永
久脱毛する被ばく量はおよそ5000mSv以上で、62500回の集団胸部X線量に相当します。放射線検査の被ばくにおいて、この量を被ばくすることほとんとありません。1回に被ばくする放射線量が250mSv以下(約3000回の集団胸部X線量)では臨床的症状はないとされています。ですから、安心して診断に必要な検査に臨んでください。

確率的影響とは
確率的影響は、しきい値がないと仮定されているので、どんな低い放射線量でもその影響のおこる確率は全くないといえないものをいい、例えば遺伝的影響や発がんなどです。被ばくの量が多くなるとともに、その影響の発生確率が高くなるという性質の影響です。このようなことから、国際放射線防護委員会(ICRP)では、線量制限体系を設け被ばく量を制限しています。容認できるリスクレベルとは、職業として正常な放射線作業を行っている人たちの平均死亡率が、安全牲の高い人たちの業務上の事故による平均死亡率と等しいかそれ以下のならば、その被ばく量は容認できるレベルと考えられています。放射線業務従事者の確率的影響を防止する目的の線量限度は、年間50mSvと定められていて、この線量限度は625回の集団胸部X線量に相当します。このことからも、通常のX線検査では、確率的影響の心配はいらないと考えられます



放射線利用の3原則

放射線は国際的に人間に害を与えるものとして捉えています。そのことをわが国は、原爆による被ばくで体験しています。被ばくの線量が高い場合には放射線が人体に影響を及ぽすことは明らかであります。そのため、IAEAやICRPが結成され、国際的な基準をつくり、放射線を利用する場合の3原則を定めています。

(1)行為の正当化〜検査を受ける方が検査等で被ばくする不利益よりも、検査結果で得られる利益の方が上
        回る場合のみに行います〜
(2)防護の最適化〜診断目的を達成するために必要最小限の被ばく線量でなければなりません〜
(3)線量限度  〜被ばくを安全レベルの線量限度に従っておこないます。とありますが患者に不利益をも
        たらす可能性があるため医療被ばくでは適応されていません〜
このような原則のもと、医療行為が行われています。医療検査技術の向上や、診療放射線技師達の努力で必要最小限の放射線量でより良い画像を提供できていると考えられます。
日常検査で用いられている放射線やX線の被ばくによって起こるかもしれない影響の危険性を考えると、喫煙によって起こるがんの危険性の方が高いと考えられ、また日常生活において交通事故に遭う危険性の方がずっと高いと考えられます。

医療被ばく〜Q&A〜
Q1.高線量の放射線はがんの発生率を大きくする作用があるのに、なぜがん治療に放射線が用いられるのですか?
A.放射線は正常な細胞もがん細胞もどちらも死滅させる力があります。ただし、がん細胞は一般的に細胞分裂が盛んに行われて
いる為、正常細胞に較べて放射線による効果が大きいという特徴をもっています。放射線治療はこの差を利用して、がん細胞は死滅させるものの隣接する正常細胞は保護するように工夫して行われています。ごくまれに、放射線治療を行ったことによる二次牲の放射線発がんが起こることはありますが、いまあるがんに放射線を照射することによってもたらされる利益の方が何年か後になって起こる可能性のある発がんの危険性よりもはるかに大きなメリットがあるため、用いられているのです。

Q2.子供が検査をしたとき一緒にいても影響はないのですか?
A. X線検査を受ける患者さんの為、場合によっては家族の方などに介助についていただくことがあります。この場合は介助者が直接被ばくすることはなく、被験者からの微量な散乱線だけ受けることになります。また不要な放射線を防ぐプロテクタを着用するのが原則なのでほとんど被ばくすることはありません。


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